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妊活・不妊治療中に起こりやすい適応障害の対処法

この時期は新しい環境になることもあり、ただでさえ妊活、不妊治療で先の見通しがたたないのに、様々な変化や適応を求められ、心も体も疲れを感じやすいものです。人によっては適応障害という診断がつくこともあるので、適応障害とその対処法を紹介します。

目次

適応障害とは

ようやくコロナ感染に対処できる今日この頃ですが、あれだけ待ち望んだ「日常」だったのに、コロナ禍の生活が「日常」になっていた事実もあり、またもや「新しい日常」になれる日々があるのではないでしょうか?

不妊治療も保険適用となり1年経ちますが、それでもバタバタな現場です。医療側も患者側もよくわからないまま進まざるを得ないストレスや不安は「適応障害」につながるかもしれません。

よく聞くこの適応障害について紹介ます。

適応障害の症状

適応障害によって心身におこる症状には様々なものがあります。一言でいえば、ストレスで生じる症状すべてになります。

ストレスによって落ちこむ人もいれば、不安が強くなる人もいます。イライラしてケンカや口論が増えてしまったり、お酒やタバコの量が増えてしまうこともあります。

「適応障害なら必ずこの症状がおこる」という特別な決まりはなく、特定のストレスが引き金になり、本人が強い苦痛を感じたり生活に支障をおよぼしたりする何らかの心身の変調は、すべて適応障害の症状といえるのです。

◎適応障害でおこる症状の例
心の変調:不眠、不安、気分の落ち込み、イライラなど

体の変調:胸のドキドキ、吐き気、便秘、めまい、ふるえなど

能力の低下:仕事や作業に集中できない、考えにまとまりがなくなる、ぼーっとしてしまう、もの忘れがひどくなるなど

行動の障害:お酒が増える、タバコが多くなる、口論がふえるなど

症状は、そのストレスに反応して生じたもので、それそのものに特別な意味はありません。「適応できない環境にあること」が原因であって、ストレスとなっている環境から離れることができると症状は軽快していきます。

もしストレスのある環境から離れても症状が良くならない場合、本質的には異なる問題が隠れていることが少なくありません。

以上は「適応障害の症状」のサイトからの引用です👇

適応障害のチェックの診断基準

心の病気は、目で見て診断することができません。そのため国際的な診断基準(ICD10:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems「国際疾病分類」)を参考にしています。

適応障害の診断基準の要点は、以下の4つの項目になります。

①ハッキリとしたストレス因があって、3か月以内に症状が出現
②著しい苦痛や生活に支障がある
③ほかの精神疾患でも、死別反応でもない
④ストレス因がなくなると改善し、6カ月以内によくなる

このように適応障害は、「原因」からみて診断をしていきます。明確な原因があって、それがストレスになることが診断の前提です。ですから、「原因はよくわからない・・・」という方は、適応障害とは診断できません。

上手く適応できないことは少なからず皆さんが経験しているかと思いますが、症状や悩みが生活に支障があるレベルでなくてはなりません。病院に受診されるということは、苦しみが深いと考えます。

そして、他の精神疾患ではないことが必要です。親しい方が亡くしてしまったあとは誰しもが苦しみをうけますので、そういった状況は死別反応として適応障害とは分けます。

そして、ストレスの原因がなくなれば、適応障害では比較的すみやかによくなっていくことが予想されます。

こういった特徴をもつ場合、適応障害と診断します。

以上も「適応障害をチェックする診断基準」のサイトから一部編集し引用しています👇

適応障害かなと思ったら

明確なストレスがあって、心や体や能力や行動に変化、しかもよくない変化があれば適応障害、あるいは適応障害傾向かもしれません。

鬱っぽい、つまり落ち込みややる気がでない感じは鬱病かも、と感じることもあると思いますがストレスの原因がなくなれば元気になる、
たとえば治療周期でなければいつも通り元気になる、のであれば
鬱病ではなく適応障害といえるでしょう。

大事なのは適応障害と診断名があるほど、人間はストレスでよくないほうに変調するし、ストレスを「除去」すれば改善できることを知っておくことです。

難しいのは、そのストレスを除去できれば良いのですが「子供が授からない」というストレスを除去することはたやすくないということ・・・
どうにもならないことではあるけど、それではせめてどうにかなるストレスの除去(妊活・不妊治療で延期していた資格取得を今取り始めるなど)は取り組んでみよう、ととらえることができると少し適応障害症状は軽減するかもしれません。

妊活・不妊治療中の「適応障害」の対処法

妊活、とくに不妊治療中はストレスの連続ですよね。子供を望んでいるのにそれができないという状況に適応しないといけない、大きな決断をして不妊治療を始めたけどその方法に慣れることはなかなかできず、適応障害になりやすい状況です。
なるべくそうならないために、あるいはそんな症状がでたと思ったら実践して欲しい3つを紹介します。

①原因となるストレスを具体的に細かく分類する

適応障害の原因は「明らかなストレス」なので、そのストレスを特定することが大事です。

でも、「子供がいないストレス」と特定すると、そのストレスを除去するのはとても難しいわけです。妊娠し、無事に出産するまではずっとストレスですし、養子を迎えるとなっても迎えるまでのストレスははかり知れませんし、子供のいない人生を歩むことになればこのストレスからは一生逃れられないのです。

子供がいないストレスを具体的に細かく分類してみましょう。

子供がいないストレス

妊娠できないストレスと子供のいないストレス

人工授精をしているストレス(通院などのストレス)と妊娠できないストレスと子供のいないストレス

妊娠のために食事や体の健康に気を遣っているストレスと人工授精のストレスと妊娠できないストレスと子供のいないストレス

夫は飲み会に行ったり喫煙をやめてくれないストレスと私は食事や体に気を遣っているストレスと人工授精のストレスと妊娠できないストレスと子供のいないストレス

子供のいないストレスを細かくみると
妊娠できないストレス
人工授精の(通院の)ストレス
食事や健康に気を遣っているストレス
夫は飲酒や喫煙をしているストレス

のように4つの細かいストレスがみえてきました。

このうち夫の飲酒や喫煙、妻の過度な?食事や健康への気遣い、通院のストレス(経済的、時間的、体力的、精神的)あたりはストレスの軽減ができそうです。

適応障害はこのような細かいストレスの積み重ねで起こることが多いので、細かいことをちょっとずつストレスのレベルを下げられるよう対処すると、心身の不調が改善することがあります。

②治療計画をもりこんだカップルのタイムラインを具体的に作成する

ここで言うタイムラインとは将来の予定や流れをいくつかのパターンでたてることです。

妊活、不妊治療では先のことが全くわからないのがストレスの一つになっています。
今月に妊娠するとわかっていればいつ出産し、どのタイミングで資格をとったり大きなプロジェクトを担当したり、転職したり、家を建てたり、兄弟をつくるという予定を簡単に立てられます。

でも、それができないのが妊活、不妊治療の辛いところです。それがストレスになります。
そこで、カップル、夫婦で今後の2~3年のタイムラインを作成すると曖昧な将来が少し明確になり、それが不安をやわらげ、ストレスを軽減させてくれます。

たとえば
2023年は4月に体外受精開始予定とすると年内に3~4回くらいの治療(採卵・移植)の機会があります。
ただ夏休みはお互いの実家に帰省するので治療するのは5月、7月、10月くらい?
11月に夫は大きなプロジェクトがあり10月はあまり余裕がなくなるので
終わった12月の治療の方が良いのか?でも年末で慌ただしいかもしれない。
それなら9月の治療にしてうまくいかなかったら年内の治療はお休みして仕事に集中して
また2024年1月から治療再開?

妻の年齢が今38歳なので2024年には39歳になり保険適用を考えるとあと3回の治療となる。
2024年に子供が授からなかったら治療は終え、養子や里子を迎えるかもしれないが今はそこまでは考えられない。

2025年には夫婦ともに40歳になるので家を建てたいと思っており、そうなると今から少しずつ土地やモデルハウスを見に行きたい。

このように夫婦、カップルが2~3年の予定を具体的にたてることは見通しがたたない妊活、不妊治療中ではとても有効です。その時にならないとわからない、と言う人も多いのですが、「今の時点で」その時はどうしたいかを夫婦で伝えあうのが大事なのです。

夫婦で2~3年先の将来を実際に紙やノートに書くとより明確なので試してみてください。
勿論、治療がすぐに終わることを願いたいのですが、もし治療が長引くようなら、という
想定で作成することになります。

それはある意味辛い作業ですが、想定することで曖昧なストレスは減りますし、
今のうちから色々な可能性を視野に入れることは将来の準備になるので
夫婦カップルにとって建設的な取り組みと言えます。




③ちょっとだけ努力して体を動かすとネガティブな気持ちや悪循環の考えを切り替えられる

ストレスの解消法の一つは体を動かすことです。

体を動かすとそれだけで気持ちや考えが切り替えられますし
血流もよくなるので思考も前向きになりやすいです(まあいいか、と感じやすくなります)。

ただ、本当に調子が悪いと体を動かすことがとても億劫です。
ですからちょっと努力しないといけません。
でも、その努力は裏切らないので、

あ~調子悪いな~ストレスと溜まってるな~と感じたら

ふとんから出て近所のコンビニに買い物に行ってみてください。
そうすると、新商品が目につき、気分転換ができ、外出したことで自分に自信がつき
よい循環が起こります。

それなら体動かしてみようかな、と思ってくださるだけでも適応障害の予防になったり改善につながります。

人生は常に新しいことに直面するもの:うまくいったりいかなかったり

人生は初めて経験することの連続ですよね。同じことは二度と起こらないのです。

ですからうまく「適応」するのはとても大変なことなのです!
でも、なんとか皆適応しようと頑張っています。
そんな自分をほめてあげましょう。
毎日毎日、新しいことに適応しているのでたまには疲れます。
疲れたなら休めばよいのです。
休めば回復します。
回復する自分も信じてあげましょう。

自分の人生ですから。自分が自分を大切にすることを忘れないでいただければと思います。



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