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実際のカウンセリングご紹介:事例①結婚してすぐの不妊の悩み

こんにちは。生殖心理カウンセラーの小倉です。

今回は実際のカウンセリングを少し紹介ます。あ、こんなこと相談していいんだ、とか、あ~自分と同じ悩みを持っている人がいてカウンセリングを利用するとそんな可能性があるんだ、とか、シンプルにカウンセリングってそういう話をするんだ、という情報収集にもしてみてくださいね。

事例①:不妊の悩み

38歳のA子さんは結婚して3年目。35歳で妊娠しずらいのはわかっていたのですぐにでも不妊の検査を夫婦でやりたかったが、38歳の夫はまだいいよ、と乗り気ではない。せめて自分だけでも、と思って検査をしたらAMH値が低く、早く治療をした方がいいと医師に言われすごく焦っている。夫にそのことを言ったら、やっと検査をしてくれて夫の精子には問題はなかった。明確な不妊の原因があるわけではないが、自分に不妊の可能性があることはやはりショックだった・・・

A子さん:それなりの覚悟をしていたんですけど、実際検査で自分に不妊の要因があるかもとわかると落ち込みました。夫は検査で精子に異常がないとわかって、なんだか変な自信がついちゃって・・・。先生はすぐにでも体外受精をした方がいいよ、と言うのですが、まだ気持ちが追いつかなくて・・・でも早く治療したほうがいいですよね?

カウンセラー(つまり私です):不妊の要因が自分にあるかもしれない、と想定はしていたけど、実際にその可能性が検査結果でわかって落ち込んでいるのですね。医師からは早く体外受精をした方がいいと言われたけど、気持ちが追いつかない。気持ちが追いつかないというのはどんな感じですか?

A子さん:結婚は遅いほうだと思いますが、40歳になっても出産している人はたくさんいるし、自分も不妊かも、と思いながらもどこかで大丈夫、すぐにでも妊娠出産できると思ってたんですよね。不妊治療が嫌というわけではないけど、やっぱり自然に授かりたい、とか皆と同じようになんで自分はできないんだとか・・・すみません、うまく言えないんですけど。

私:結婚したら次は子供、ってとても自然な流れですよね。それが、自然妊娠できないかも、と思うとそれだけでも不安ですし、皆と違う、ということも抵抗がある感じですか?

A子さん:う~ん、他の人と比べるってことじゃないんですけど、抵抗というか、自分は普通じゃない、欠陥品なような感じ、でしょうかねえ。

私:不妊を経験すると、本当に多くの傷つきや悲しみを伴います。また、不妊の難しさは自分一人のことではなく、夫婦で取り組まないといけないことです。お話を伺うと、ご主人は精子に問題がないことで安心しているようですね。

A子さん:そうなんです!そこがすごくひっかかってるのかも!夫も子供が欲しいとは言っていますが、本当にわかってるのか疑問なんです!

という感じで、このあとはご夫婦の関係についてお話を伺います。

実際はこんな風にすらすらっと展開するわけではなく、いろんな感情や思考が交錯して、行ったり来たり、という感じですが、なんとなくイメージできたでしょうか?

カウンセリングでは「アドバイス」は基本的には行いません。アドバイスはその場では有効なことがありますが、結局「押しつけ」られた方法であって、その人が自分で探し求めた解答ではないからです。カウンセリングは、その人が解答を見つけやすいように情報を提供したり、いろいろな「提案」はします。また、話を整理して、その人が実は思っていたこと、感じていたことを明確にすることもあります。(今回の場合はご主人へのモヤモヤなど)

自分で考えることが一番大事です。でも、不妊のように、これまでの人生で経験したことのないような難しさを感じたのなら、カウンセリングのようなサポートを利用することも検討してくださいね。生殖年齢が限られている、ということも不妊の辛さです。時間を有効に使う上でもカウンセリングの利用は役立ちます。

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