体外受精へのステップアップ。
こんにちは。西船橋にあるガーベラ不妊相談室、不妊ピア・カウンセラーの岡田です。
体外受精へのステップアップの不安、体外受精に取り組んでもなかなか結果が出ない焦りは
とても大きいものだと思います。
実際のご相談やグループカウンセリングでも、体外受精への気持ちを話される方は本当に多いです。
体外受精に取り組むことについて私の経験も交えて少し書いてみたいと思います。
目次
- ○ 体外受精にステップアップするまで
- ・ステップアップまでのもどかしい時間
- ・体外受精へのステップアップを決断した理由
- ○ 体外受精に取り組む中で
- ・体外受精への覚悟と期待
- ・分からなくなっていく気持ち、取り残されていく焦り
- ・取り残されていく焦り
- ○ どこまで続ければいいのか
- ・夫婦関係
- ・やめどきを考える夫と諦めきれない妻
- ○ 体外受精で悩んだら
体外受精にステップアップするまで
私たち夫婦、特に夫は「自然に授かりたい」という思いが強く、
通院してタイミング療法に取り組んでから人工授精にステップアップするまでに1年以上、
人工授精から体外受精にステップするまでにも1年以上かかりました。
通院を始めたのは30代後半だったので、最終的に体外受精に取り組むのであれば
本当に時間をロスしたと思います。
でも、大きな負担を伴う体外受精を躊躇することは当然ですし
そこまでしなくても授かれるのではないかという気持ちもあると思います。
もし、取り組んだとしても最後の砦のような治療で
これでダメだったらとも私は思いました。
ステップアップまでのもどかしい時間
私が周囲の妊娠や出産に焦る中で、夫は何故か楽観しており
体外受精について検討することも先延ばしにしていました。
夫は、タイミング療法の精神的なストレスから解放されて、
「これも自然に授かる方法の1つ!もう少し頑張ればできるはず」
と、考えていたようです。
主治医からは度々ステップアップの打診を受けるも
不妊治療は1人の気持ちではどうにもならず、もどかしい気持ちのまま
人工授精を続けていました。
体外受精へのステップアップを決断した理由
夫のことばかりを書きましたが、
30代後半から通院を始めて、最初に医師からは年齢のことは指摘されていました。
なるべく早くステップアップすることを勧められていましたが、
きちんと向き合えていなかった自分がいました。
年齢はそうだけど、生理もちゃんと来てるし同い年で普通にみんな妊娠しているし、
自分だってそうなるはず、とどこかで思っていました。
そんな中人工授精が10回を超えたとき、
主治医からの提案で再度詳しい説明を夫婦で聞く機会を設けました。
妊娠、出産と年齢のシビアな数値を詳しく見せられ、ステップアップを勧められました。
初診で聞いていたはずなのに、大きな衝撃を受けました。
自然に授かりたいという気持ちより、大切にしなければいけないのは時間なのだと
夫婦共に痛感し、体外受精へのステップアップを決断しました。
体外受精に取り組む中で
他の治療方法でもそうですが、1回で上手くいく人もいれば
なかなか結果に結びつかない人もいます。
年齢が高くても妊娠、出産する人もいますし、若くても思うようにいかないことも
あります。
様々なデータがあっても、そのどこに自分が入るかが分からないですし
何が悪いのか、どうすればいいのか分からないのが不妊治療の辛いところです。
体外受精への覚悟と期待
体外受精はご存じの通り、高額です。私が治療していた頃は採卵を含めれば
1回50万から60万くらいでしたが、
その他にも鍼灸や漢方の東洋医学を取り入れていたのでプラス5万くらいだったように思います。
今ではどうやって生計が成り立っていたのか思い出せないくらいですが、
それにも増して現在は、更に様々なオプションや検査も増え、1回60万から70万、
それ以上のこともあるようですから、治療中の方の「負担は大きい」という言葉だけでは
足りないような重さだと思います。
そのような治療に取り組もうと決めるのは、
相当な覚悟が必要ですし同時にそれだけ掛ける想いもありますから
期待も大きくなります。
そう、体外受精での妊娠や出産率はそこまで高くないという説明を受けていても。
分からなくなっていく気持ち、取り残されていく焦り
先にも書きましたが、どのような治療でも1回で授かる人もいれば
長年様々な努力をしてもなかなかうまくいかないこともあります。
私は後者で、第二子の治療を含め体外受精はおよそ4年行いました。
妊娠に至らない、ということを繰り返していくうちに
「何だかもうできる気がしない」という気持ちと
「そんな風に思うからできないんだ」という気持ちが
天使と悪魔みたいにせめぎ合うようになります。
取り残されていく焦り
妊活、不妊治療についてはデリケートなことですので
「親しいからこそ言えない」ということも多々あります。
そこで、「同志」「仲間」というところが心の支えになったりすることも
あるのではないでしょうか。
例えばブログやSNS、実際に会うクリニックの患者会や様々なおしゃべり会。
普段は言えないような黒い気持ちや愚痴も言えて居場所になる方もいらっしゃると
思います。
私は、ブログでした。
でも、仲間だと、同志だと思っていた人たちも次々と妊娠していくのです。
ああ、私はここでも取り残されるのか、落ちこぼれなのか…
それはある意味で友人や同僚の妊娠よりもショックを受けることもありました。
どこまで続ければいいのか
高額な費用、仕事との両立、服薬や注射による体調不良。
東洋医学も取り入れたり、妊娠によいとされることを試しても一向に妊娠できない。
どこまで続ければ妊娠できるのか、
そもそも妊娠できるのか…毎日そんなことを考えます。
夫婦関係
体外受精を何度繰り返してもかすりもしない私は、その度に自信を失い、
自己肯定感は最早マイナスになっていたと思います。
仕事だって、妊娠だって、ひとりの女性としてだって何もできない欠陥だらけの自分。
それでもやっぱり、胚盤胞が出来たと聞けば期待し、陰性判定を受けて奈落へ落ちます。
もうずっと最悪を想定して防御しているのにやっぱり涙は流れるのです。
悔しくて、悲しくて、辛くて、情けなくて泣けるのです。
夫はもう、「大丈夫だよ」としか言わなくなっていきました。
一体、何が大丈夫なんだ?と心でキレながらそれでもやっぱり
生理が来れば病院に行ってしまうのです。
夫は治療に意見をすることなく、私は黙々と通院する状態でした。
やめどきを考える夫と諦めきれない妻
体外受精を始めて2つ目の病院に移った時には、年齢も40を過ぎていました。
夫は、日々のめりこんで、治療のために色んな事を切り捨てていく私を見て
「もうやめてもいいんじゃない?」「夫婦2人が不幸せなわけではないと思う」
と言い始めました。
「ここまでやってきたのになんで?」「子ども授からないまま辞めるの?」
「子ども欲しくないの?」
私はその度に食ってかかり喧嘩になりました。
おかしいですよね、
夫婦の子どもを授かりたいと思ってここまでやってきたはずなのに。
体外受精で悩んだら
体外受精の経済的な負担や通院、心身の負担はとても大きいもので躊躇することや迷うこと、
夫婦間で意見が分かれるのは自然なことです。
体外受精に取り組まない=子どもが欲しくないということではありません。
体外受精を長く行い、なかなか結果に結びつかず心が折れそうになったり、
体の不調を感じたり、経済的なひっ迫を感じて「辞めたい」「でも、諦めたくない」
と気持ちが日々揺さぶられることもあります。
当然なことです。
私は、自分が壊れかけていることに気づかないまま
憑りつかれたように不妊治療にのめりこみ、自分を見失いました。
そんな時には、自分らしい選択や決断も難しいことがあります。
治療中、不妊治療を理解している人に安心して相談できる場所が
あったら…その時の思いが私の現在に繋がっています。
どうしていいか分からない。
少しでもそんな気持ちになったなら、お気軽にご相談ください。
私の経験もお話しします。
ご夫婦にとっての最善を一緒に探していきましょう。