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人工授精へステップアップした時の気持ち

こんにちは、西船橋にあるガーベラ不妊相談室、不妊ピアカウンセラーの岡田です。
ステップアップ、言葉を聞くとポジティブなイメージがありますが、
不妊治療では、その言葉の前に躊躇したり不安に思う方も多いかもしれません。
私もその1人でした。

目次

人工授精という言葉の壁

人工授精にステップアップするとき、私が躊躇した理由は「人工」という言葉でした。

タイミング法からのステップアップ

通院しつつも、自然妊娠への想いも大きくタイミング療法に取り組んでいたので「人工」という言葉に勝手に抵抗感を抱いていました。
一方で、自然妊娠を望みながらもタイミング療法を苦痛に感じていたのも事実です。年齢や時間への焦りと、スケジュールを組んで気持ちを伴わない性交渉を持つ辛さの間で揺れていました。頭のどこかでステップアップしたほうがいいんだろうな、と思いながらもどうしても踏ん切りがつかないという時間が過ぎていきました。

諦めきれない自然妊娠への想い

何で自然妊娠がいいんでしょう?皆さんは考えたことがありますか?
私は、なかなかできないし通院もしているけど、タイミング法で自然に妊娠したら「普通」のくくりに入れる、「普通」という中に戻れる、という思いがどこかにあったように思います。
人工授精に進んでしまったら、何か一線を越えてしまうような怖さがありました。

人工授精を経験して

結局、先延ばしにしても妊娠には至らず焦りの方が大きくなっていったのですが、簡単にステップアップはできませんでした。

夫の気持ち

夫は私より自然妊娠への想いが強かったため、
「考えすぎだからじゃないの?」「気楽にもう少し取り組んでみればいいじゃん」と
人工授精に取り組むことになかなか同意してくれませんでした。
かといって、性交渉にも協力的じゃなかったんですけどね。
この辺りはまた別の機会に…(収まり切りません(笑))

最終的には医師から年齢のことや人工授精について直接詳しい説明をしてもらい、
ようやくステップアップしました。

夫にとっては、「人工」という言葉より「採精」という任務のハードルが高かったようで、
OKはしたものの、最初の人工授精まではため息ばかりついていました。
確かに、決められた日に確実に採精するというのは大きなプレッシャーですね。

意外と人工感はなかった

人工授精は、排卵のタイミングを見極めつつ、採精した精子を洗浄濃縮処理して子宮内に戻す治療ですが
人工授精に進んで1回目を終えた感想は、「これで終わり?」というものでした。

夫の洗浄濃縮された精子を子宮内に注入してしばらくその体勢を保ち、終わりでした。
人工授精って、何が人工なんだろう?どこが人工なんだろう?
逆にそんな疑問がわくような感じでした。
なんでここまで抵抗感を感じ躊躇したのだろう…と肩透かしにあったような感じでした。

タイミングを取ることのストレスが減った

何よりも大きな変化は、夫婦双方にとって「タイミングを取らなければいけない」という脅迫にも似た負担が減ったことです。これは本当に大きかったです。
1年以上タイミング法に取り組んできた中で、生理から排卵期まではどこかタイミングを探り合うようで会話もぎこちなく、上手くタイミングを取れなかった時には険悪になるということを毎月繰り返していましたが、
ベストなタイミングは人工授精で行ったということで気持ちに余裕のようなものが生まれ、前後の性交渉への負担は減りましたし、
仮に、予定より1日ずれた性交渉にもナーバスになることは格段に減りました。

病院に見てもらってもできない焦り

ただ、これだけ目に見える治療をしているのに妊娠に至らない焦りと不安は回数を重ねる度に
確実に大きくなっていきました。
血液検査でホルモン値を見て、卵胞や内膜を確認し、排卵を促す注射を打ち、人工授精をした後には、
ホルモンも補充する。前後に性交渉も持つ。それでもできない焦りは本当に大きなものでした。
もしかしたら人工授精のタイミングが早かったのでは、遅かったのでは
という気持ちが湧き転院を考え始めたのもこのころです。

人工授精を考え始めたら

私は結局、タイミング法に1年以上、人工授精も1年以上行いました。
それでも、その2年で妊娠には至りませんでしたが。

人工授精での妊娠率

人工授精で妊娠される方は、9割の方が4、5回までに妊娠すると言われており病院でも、5回程度を目安にステップアップを提案されることも多いと思います。
私は、結局ここでも人工授精はより自然妊娠に近いと執着してしまいましたが、
3回を過ぎたときには、一度立ち止まって
年齢、時間、負担、費用など優先したいことを再度確認して、以降の取り組みについてご夫婦で検討されてもいいかもしれません。

自分の気持ちに迷ったら

とはいえ、治療に取り組んでいるときに未来は分かりません。学校の偏差値のような合格基準もなく、どのくらい何を頑張ればいつ妊娠に繋がるのかもわかりませんから、大きな問題がなければ自然に授かるのではないか、と思う気持ちは当然ですし、あともう1回頑張ればできるのではないか、と思う気持ちも自然です。
ステップアップは大きな決断ですから、迷ったり悩んだり、不安に思うのは当たり前です。そんな時は、お気軽に相談くださいね。
治療のアドバイスをすることはありませんが、私が経験してきたことをお話することは可能です。それを聴いて、どう感じるかなどご自身の中で考えていくうちに、自分らしい選択が見えてくることもあります。少しでも納得しながら妊活に取り組めるようお手伝いいたします。

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