不妊特有の心理:3要素
こんにちは
今回は改めて不妊特有の心理の3要素をお伝えしようと思いまして
教科書に書いてあるわけではありませんが、私が学んだ中で、この3つが核としてあるのでは?と思っているものです。
生殖物語
不妊による喪失
不妊によるトラウマ
生殖物語
生殖物語は、自分が小さいころから(3歳ごろから!)思い描いている家族のイメージ。結婚して、子供を産んで、おばあちゃんになって・・・というのがよくありますが、子供とお菓子作りたい、とか、キャンプに行ってみたい、とかも含まれます。逆に、自分は子供はいらないし、結婚もしない、というのも、生殖物語になるし、年配の方が、孫ができたらセーターを編んであげたい、というのも、生殖物語になります。
でも、不妊を経験して、それがかなわないかも、となると、この生殖物語は「書き換え」を必要とします。例えば、本当は子供が欲しかったけど、これからは夫婦二人家族でそれぞれの仕事にうちこみつつ、週末を同じ趣味で楽しむ、って、書き換える、のですが、はい、では今日からそうしましょうって、できませんよね?それはとてもとてもつらいことです。
皆、不妊を経験すると、「辛い」と思うのですが、なんでこんなにつらいの?と思うのですが、その理由の一つが、3歳ごろから長い間、思い描いていた自分のストーリー(物語)を急に書き換えないといけないから、なのです。
喪失
これも上記の思い描いていた生殖物語を失うことから始まり、毎月の生理でくるかもしれなかった赤ちゃんを失うことも、健康だと思っていたからだのイメージを失うことも、父親、母親になれなかったことも、治療で経済的に貯金を失うことも含まれます。こんなにたくさん、失えばそれは辛いに決まっています。だから、こんなに失っているんだ、だから悲しんでいいんだって思うことが大事です。
トラウマ
上記の生殖物語の書き換え、たくさんの、しかも繰り返される喪失により、心は傷つきまくっています。その傷は毎月の体の周期があると、次を期待して、なかなかゆっくり癒す間もなく、置き去りにされがち。でも、気づくと心はもう破裂寸前、あるいは干からびる寸前。友人に会うのが嫌になったり、妊婦を見るのが嫌になったり。知らないうちに涙がでていたり・・・
そういう時はトラウマ(心的外傷)に苦しんでいるのかもしれません。こういうときも、ああ、私、元気そうにふるまってるけど、実は傷ついてるんだな、だから、嫌なものからは距離を置いていいんだな、泣いてもいいんだな、と喪失と似ていますが、傷ついている自分を受け入れるのが一番回復に効果的です。
今回は難しい内容となったかもしれませんが、頭でわかっていても、気持ちはそうすぐに整理されたり、理解できるわけではないので、それでいいんです。
なんとなく、ああ、そうなのかな、そうかもね、いや、ちがうかなあ~というふうに、感じるだけで十分だと思います。
6月27日にグループ・カウンセリングを行います👇
日時: 6月27日(土)10時~11時30分(通常2時間を90分に短縮します)
場所: ガーベラ不妊相談室(JR西船橋徒歩5分)
対象者:現在、不妊治療について悩まれている方。男性、女性、ご夫婦でも。
参加人数:先着3組(マスクの着用をお願いします)
参加費:お一人2000円
お申し込みはこちらから👇