30代の不妊治療
心理士の小倉です。
非常事態宣言が解除された地域が多い中、
さて、今回は30代の不妊治療について書きたいと思います。
30代といっても30代前半と後半は全然違いますよね。
なぜかと言うとそこに35歳の壁、があるからです。
35歳を境に妊娠する確率が急激にさがる、というデータがあるからですが、
この35歳は目安になる反面、焦りや不安も生じさせます。
また、現在は40代で治療されている方も多く、その中で30代は若いので、
医療機関、医師ですら、「まだ若いから大丈夫」という言葉をかけがちですが、
本人が一番子どもができない現状を知っているので、
その言葉に理解してもらえない、もどかしさを感じます。
30代の方でも早発閉経や様々な妊娠しにくい病、症状をお持ちの方も多いのです。
一刻も早く治療を、という思いと、
実際、不妊治療の内容は大きなところでは変化はないのですが、
細かい薬の種類や方法は少しづつ変化し、10年前よりは今のほうが質はよくなっているようです。
そうなると、今は妊娠しなくても10年後妊娠するかも、ということはあります。
一方で、仮に10年の不妊治療、となりますとこれはものすごい負担です!
経済はもちろん、体も、そして心の負担はすさまじいものです。
合間、合間で休憩される方もいらっしゃいますが、その間に周囲はどんどん妊娠し、子どもは成長していきます。
それらを目の当たりにしながらの生活は辛いものです。
30代後半の方の気持ちとしても今度は40歳の壁、が見えてきます。
その焦りは大きいです。
35歳の壁とはかなり違う巨大な壁です。
その焦りを理解して下さる方が近くにいるかどうかで、治療への取り組みも変わってくるだろうと思います。
30代での治療といっても様々ですが、30代は現社会においては「生殖期」となり期間限定です。生殖について最近取り上げられることが増えましたので、
日々の生活を送る中で、自分が何を望んでいるのか、結婚して、子どもを産んで、育てたい、
という気持ちがあるにしても、
どんな結婚で、どんな妊娠・出産で、どんな子育てて、その中でどう自分らしく生きていくのか、を考えられると少し心のバランスを取りやすくなるかと思います。