生殖物語
こんにちは、心理士の小倉です。
今回は「生殖物語」についてお伝えします。
生殖物語とはその人が抱く将来の家族像で結婚すること、子供をもつこと、孫を抱くこと、などがすべて含まれます。
よくあるのは
結婚したら子供を二人くらい産んで年をとったら孫にかこまれて静かにくらす、というものでしょうか?
あるいは具体的に男の子を二人産んで、一人は野球選手、一人はテニスの選手にする!女の子に洋服を作って着せてあげたい、
そして孫にセーターを編んであげたい、という年配の方の思いも生殖物語、と呼びます。
でもこの生殖物語があるからこそ、不妊で悩まれている方は苦しいのです。こんなはずじゃなかったのに、と。
生殖物語は2,3歳ころから作られ始めます。自分の家族を見て、世の中にはお父さんとお母さんと子供と赤ちゃんがいるらしい、と知ります。
そして自分も大きくなったらそんな役割をになってみたい、と自然に思うのです。ですから一方で、自分は絶対に結婚しない、結婚はするけど、子供はいらない、という方もいます。これもこの方の生殖物語、となります。
この生殖物語は誰でも持っています。小さなこどもから80歳の方まで。そのつど変化があったり、追加があるものですが、不妊の方が一番つらいのは「書き換え」をしないといけないことです。
子供がいる、いない、とでは物語が全然変わるからです。その作業はとても悲しいものですが、この作業をしないと、先に進めないのです。
生殖物語の書き換えは不妊をしっかり悲しみ受け入れることから始まります。そのうえで、新しい生殖物語を書き始めていきます。
大事なことは自分の生殖物語を確認するとともにパートナーの方の生殖物語を知ることです。案外、自分の生殖物語について曖昧だったり、ましてやパートナーはどんな思いを持っているのか知らないことが多いので、これを機に一度きいてみてもいいかもしれません。