意味付け
こんにちは。
心理士の小倉です。
今回は「意味づけ」について。
カウンセリングを利用するということは何か悩みがあって、
その悩みを解決したいと思っていらっしゃってるので、
「どうしてこんなことになったんだ」
「私の何がいけないの?」
「この辛い気持ちをどうにかしたい」
というような問いかけがたくさんあります。
不妊を経験されている方とお話をする場合は、
その方の背景を伺い(どういう経緯で治療に至ったか、とか)
その中で辛いと言われる気持ちを整理し、
どの部分が本当に辛くて、
どの部分は辛いというより、悲しい、とか、腹が立つ、とか、
実はなんとかなりそうなのか、
を本人に気づいていただいています。
そして本当に辛い部分ってどうにもならないことも多く、
あ~だ、こ~だ、
話していくうちに、人によってはそれを
運命
ととらえたり、
よくよく振り返れば、そういう状況に自分がもって行ってた、
だけど、それはそれで仕方ないことだった、
とか、
時間を取り戻したい!
という方もいらっしゃいます。
どのように感じたとしてもその人がそのように思うことが大事で、
それを本人が受け入れて、
辛いんだけど、今自分はこう思っている、と認識できると、
ただ、辛いだけじゃなくて、それが具体的になって、
もしかすると、
そこから少しだけど、気持ちが楽になるヒントがでてくるかもしれません。
そこで私がカウンセリングで使う言葉が
意味づけ
です。
解釈とは違います。
解釈というとそこに正解、不正解のニュアンスもあるので、
そうではなくて、自分に起こった出来事が特に
納得がいかない、
理不尽、
自分の責任ではないこと、
だった場合、どのようにそこに自分なりの意味をつけるか、です。
例えば移植をしようと準備をしていたら、
夫の親族に不幸があってキャンセルをしないといけなくなった、としたら。
すでにホルモン治療も始まっているし、
こちらの都合でのキャンセルだから料金もそれなりにかかる。
自分の体調はこの上なくいい。
夫の両親ならわかるが、親族・・・でも絶対に行かなければならない。
仕事のスケジュールもやっとの思いで調整したのに。
こうなったら治療は休んで体も休みだと思えばいいっか、
と簡単に切り替えられる人もいます、実際。
これも上手に「意味づけ」をしてます。
単に、こういうことがおこったからキャンセルをした、
と淡々と受け入れる人もいます、本当に。
この場合、意味づけは不要、ですが、本当にそう感じてるとすれば、
少し精神面での豊かさがないかもしれません(でもこういう時は楽かな・・・)
でも、多くの方は
納得できない!
なんで?
イライラ、もやもや~
となるはずです。
頭では納得できますが、心では納得できませんよね。
なんで、今なの?って思いますよね?
もうちょっと早いか遅ければって思いますよね?
でも夫には言えない~、イライラ。
実母に言っても「仕方ないでしょ」って言われてもやもや。
そこでこの出来事をどう意味づけするのか、はあなた次第。
運命
ととらえてもいいし、
休みだと受け取ってもいいし、
あるいは、
想定外のことがあるのが人生だよね、
と思ってもいいですし。
この意味づけのいいところは
自分の都合のいいようにその出来事を「意味づけ」できることです。
自分が楽になるとらえ方ができれば同じ出来事も見方も感じ方も変わってきます。
友人や家族と話していると違う考え方を語ってくれることもありますが、困ったことに、アドバイス、つまり押し付けになることがあって余計に傷つくことがあります。
だから、自分が好きなように、楽になるように出来事をとらえられるといいのかな、
と思います。
こんな風に意味づけしてもいいのです
↓
ああ、今回の事、最悪。
これ以上に最悪な経験をしたことはないわ。
だから今後どんなに嫌なことがあっても
今回ほど、ひどい状況じゃないってうまく乗り越えられるための経験だという意味かな。
なんでもかんでも意味がある、意味づけをするといい、
というわけではありません。
でも、なんかもやもやするなあ、
いらいらするなあ、
なんでこうなったのかな~
と思うことがあったら、
その出来事に自分がいいように「意味づけ」してみるとまた違う気持ちになれるかもしれません。