不妊の気持ち, 二人目(以降)

不妊とのおつきあい

皆様、こんにちはニコ

心理士の小倉です。

 

先日不妊を経験され

お子さんを授かった方たちの会に参加してきました。

まだ授かっていない方は

子供が授かれば

不妊の辛さから解放される、

忘れられる、

なかったことにできる、

と思われるかもしれません。

そういう方もいらっしゃるかもしれませんが、

多くの方はそうではないのです。

 

かわいいお子さんを授かっても

不妊を経験したことからいろいろな思いがでてきます。

みんな心の底から妊娠、出産、育児を楽しんでいるのに、

私は不妊の友達を知っているから心から楽しむのは申し訳ない気がして

楽しめない。でも本当は楽しみたいのに・・・

とか、

二人目が欲しいけど、経済的にも体力的にも厳しい。

親族に二人目はまだ?

とか、

子供にうちにはどうして赤ちゃんが来ないの?

と言われると本当に辛い。

せっかく子供が授かったのに、もやもやな毎日を過ごしていて思っていた日々と違った・・・

とか、

治療で流産を繰り返し、表面的には息子は第一子ではあるけれど、

この子の前に二人いる。流産で亡くした子供達への思いが今も心にあるが、

それは主人さえもわかってもらえない、

など、

不妊を経験された方特有の気持ちがお子さんを授かってもあります。

でも、上記のように思うことは

とても自然なことで、

子供が授かったのに素直に喜べない自分はおかしい、

と感じる必要はありません。

不妊は自分のことだけではなく、

パートナーとの関係でもあるし、

お子さんが生まれればお子さんとの関係でもあるので、

とても複雑なのです。

だから、

子供が授かったからといって不妊の経験から解放されることはなく、

むしろ、

おそらく一生つきあっていくテーマとなります。

ただ、不妊がずっとネガティブだったり、負担だったりするとは限りません。

不妊の経験を自分の中の

「汚点」

「欠点」

とするか、

辛い思いもしたけれど、その経験も今の自分を作っている、

不妊の経験を受け入れられれば今後の人生は変わりますよね。

自身の不妊の経験とどのようにうまくつきあえるか、

それぞれで違いますが、

少なくとも上記したように不妊の経験を自分の一部として受け入れることができれば

自分の生き方に自信が持てると思いますし、

これから起こる様々な生殖にまつわる出来事にもうまく対応できるのではないかと思います。

 

 

お知らせ, 不妊の気持ち

不成功の繰り返し

こんにちは、心理士の小倉です。

今回は治療中の方がよく感じられる気持ちについて
書いてみます。

不妊治療を始めると期待が高まりますよね。
でも、うまくいかないことがあります。
それも1度、2度目なら
まだ次の治療に期待できるのですが、
3度目以降になると、
だんだん期待することもできなくなります。

とくに体外受精、顕微授精という治療法の場合、

受精しているとか、
グレードとか、
いろいろな情報があるため、
妊娠への期待が大きくなることもあるでしょう。

そんな中で
治療の不成功が続くと、
しだいに心の元気を失います。
どこまで頑張ればいいの?
いい加減、妊娠してくれないの?
神様は私には子どもを授けてくれないの?

とても悲痛な思いです。
でも答えがないのです。
カウンセリングであれば、
この思いを聞き、そう思うことを
受け止めるだけとなります。
お伝えできるのは、
そのように考えるのは自然ですし、
あなた一人ではない、くらいです。

もう1点言えるのは、
不成功が重なることによって
不成功による悲しみがたまっている、

ということです。
そのたまった悲しみを十分に悲しまないといけないのですが、
治療中は次々に治療が入るため、その時間がとれません。

十分に悲しむために
「喪の作業」

というプロセスがありますが、
なかなかこれをおこなうのも難しいものです。

現在治療中で、
不成功が続いている方は
もしかすると悲しみがたまっているかもしれません。
そんなときは
悲しみがたまっている、と
感じるだけでも心の負担は和らぐことがあります。
自分がどのように感じているのかを受け止めるだけで、
心は楽になるものです。

11月14日(木)10時~13時
グループ・カウンセリング+筆ペン講座おこないます。
通常のグループ・カウンセリングに筆ペンを使って気軽に文字を書く作業をすることで、
心のリセットにつながります。
11月15日(金)10時~13時
グループ・カウンセリング+深層リンパドレナージュおこないます。
自分でリンパを流し、呼吸法も教えてもらうことで体のケアができます。
お申し込みはこちらから👇
不妊の気持ち

時間が解決?

みなさま、こんにちは音譜

心理士の小倉です。

TVをみたら今年の流行語の候補があげられていました・・・

もうそんな時期ですね。

今年一年の流行語候補ですが、

結構、忘れている言葉がありました~目

 

関心度や内容によって、

やはり覚えているものと、忘れやすいものはあるのでしょうが、

衝撃的な出来事に伴った流行語候補もありますが、

その時は衝撃的だったけど、

「時間が解決」

してすっかり落ち着いたかも、というものもあります。

 

この言葉、不妊カウンセリングでもよく出てくる言葉ですが、

たとえば

子供を授かることができないと分かったとき、

「その悲しみは時間が解決してくれるでしょうか?」

という質問を受けることがあります。

そういうとき、

私は「あなたにとって解決とは何を意味しますか?」

と聞きます。

もしその答えが

「子供がいなくても幸せになること」

であれば、時間をかけて幸せになることは十分可能なので、

時間が解決するでしょう。(厳密には時間が解決を促す、という意味ですが)

 

でも、その答えが、

子供がいない悲しみを忘れること、

であるなら、どれほど時間がたっても解決はしないでしょう。

不妊を経験したことはまぎれもない事実だし、

そのことで感じたり、考えたことはまぎれもないあなただから。

忘れることはできないし、

忘れてはいけないことです、

だってその経験はあなたの一部ですから。

ただ、

悲しみが和らぐ、苦しみが軽くなる、

ことはできます。

そして、それは「時間」が解決するのではなく、

「あなた」が時間をかけて解決する、

ということです。

 

それが結果的に「時間が解決した」と言えるのでしょうヒヨコ

 

グループカウンセリングを開催します。

11月14日(木)筆ペン講座とグループカウンセリング

11月15日(金)深層リンパドレナージュとグループカウンセリング

いずれも10時~13時

お一人3000円

詳しくはブログの案内をご覧ください!

 

お知らせ, 不妊の気持ち

友人・知人の出産、妊娠

こんにちは!

心理士の小倉ですクローバー
今回は周囲の妊娠や出産について書いてみます。

自分が妊娠しようと思っている時に
周りの友人や知人、あるいは家族が妊娠し出産すると、
複雑な気持ちになりますよね?

めでたいことだからお祝いをしたいけど、
本音では祝えない気持ち。
でも祝うことができないと、
自分が「小さい」「情けない」「ひどい」人間のように
感じられる、と話す方がとても多いのです。

このような気持ちは、実はとても自然で
当然な気持ちです。
自分が望むものを他の人が手に入れれば、
それは羨ましいでしょう。
しかも、こちらは苦労している、治療をしているのに、
向こうは「自然」に「普通」に「簡単」に
手に入れているのですから!

さらに、周囲の人は自分が子供を望んでいることを
知らないのか、妊娠や出産の報告を
あまり配慮なく知らせてくることがあります。

隠されるよりはいいのかもしれませんが、
治療がうまくいかないときなどに、その知らせを受け取ると、
とても平常心ではいられませんよね?

「どうすればなんとも思わず、周囲の妊娠・出産を祝えますか?」
という質問を受けることがありますが、
おそらく、それはできないことでしょう。
その複雑な気持ちは辛いものですが、
その辛さをなくすことができないほどの辛さなのだと思います。

大事なのは、
辛いという気持ちは普通であること、
周囲の妊娠・出産を羨むのは当然であること、
そしてあなただけではなく、多くの人が同じように思っていることを
知ることです。

もうひとつ、その辛さを和らげることができるのは
同じような人達と自分の気持ちを共有することです。
ネット上でも可能ですが、
実際に顔を合わせて話しあえば、孤独感が軽減されます。

最近ではおしゃべり会や、グループカウンセリングの機会が増えましたね。

どうぞそのような機会を(勇気がいるかもしれませんが)利用してみてください。

またこちらのガーベラ不妊相談室でも、11月14日、15日と連日でグループカウンセリングを行います。

よろしければご参加ください。

お申し込みはこちらから👇

https://cr-gerbera.com/contact/

不妊の気持ち

意味付け

こんにちは。

心理士の小倉です。

今回は「意味づけ」について。

 

カウンセリングを利用するということは何か悩みがあって、

その悩みを解決したいと思っていらっしゃってるので、

「どうしてこんなことになったんだ」

「私の何がいけないの?」

「この辛い気持ちをどうにかしたい」

というような問いかけがたくさんあります。

不妊を経験されている方とお話をする場合は、

その方の背景を伺い(どういう経緯で治療に至ったか、とか)

その中で辛いと言われる気持ちを整理し、

どの部分が本当に辛くて、

どの部分は辛いというより、悲しい、とか、腹が立つ、とか、

実はなんとかなりそうなのか、

を本人に気づいていただいています。

 

そして本当に辛い部分ってどうにもならないことも多く、

あ~だ、こ~だ、

話していくうちに、人によってはそれを

運命

ととらえたり、

よくよく振り返れば、そういう状況に自分がもって行ってた、

だけど、それはそれで仕方ないことだった、

とか、

時間を取り戻したい!

という方もいらっしゃいます。

どのように感じたとしてもその人がそのように思うことが大事で、

それを本人が受け入れて、

辛いんだけど、今自分はこう思っている、と認識できると、

ただ、辛いだけじゃなくて、それが具体的になって、

もしかすると、

そこから少しだけど、気持ちが楽になるヒントがでてくるかもしれません。

 

そこで私がカウンセリングで使う言葉が

意味づけ

です。

解釈とは違います。

解釈というとそこに正解、不正解のニュアンスもあるので、

そうではなくて、自分に起こった出来事が特に

納得がいかない、

理不尽、

自分の責任ではないこと、

だった場合、どのようにそこに自分なりの意味をつけるか、です。

 

例えば移植をしようと準備をしていたら、

夫の親族に不幸があってキャンセルをしないといけなくなった、としたら。

すでにホルモン治療も始まっているし、

こちらの都合でのキャンセルだから料金もそれなりにかかる。

自分の体調はこの上なくいい。

夫の両親ならわかるが、親族・・・でも絶対に行かなければならない。

仕事のスケジュールもやっとの思いで調整したのに。

こうなったら治療は休んで体も休みだと思えばいいっか、

と簡単に切り替えられる人もいます、実際。

これも上手に「意味づけ」をしてます。

単に、こういうことがおこったからキャンセルをした、

と淡々と受け入れる人もいます、本当に。

この場合、意味づけは不要、ですが、本当にそう感じてるとすれば、

少し精神面での豊かさがないかもしれません(でもこういう時は楽かな・・・)

 

でも、多くの方は

納得できない!

なんで?

イライラ、もやもや~

となるはずです。

頭では納得できますが、心では納得できませんよね。

なんで、今なの?って思いますよね?

もうちょっと早いか遅ければって思いますよね?

でも夫には言えない~、イライラ。

実母に言っても「仕方ないでしょ」って言われてもやもや。

そこでこの出来事をどう意味づけするのか、はあなた次第。

運命

ととらえてもいいし、

休みだと受け取ってもいいし、

あるいは、

想定外のことがあるのが人生だよね、

と思ってもいいですし。

 

この意味づけのいいところは

自分の都合のいいようにその出来事を「意味づけ」できることです。

自分が楽になるとらえ方ができれば同じ出来事も見方も感じ方も変わってきます。

友人や家族と話していると違う考え方を語ってくれることもありますが、困ったことに、アドバイス、つまり押し付けになることがあって余計に傷つくことがあります。

だから、自分が好きなように、楽になるように出来事をとらえられるといいのかな、

と思います。

こんな風に意味づけしてもいいのです

ああ、今回の事、最悪。

これ以上に最悪な経験をしたことはないわ。

だから今後どんなに嫌なことがあっても

今回ほど、ひどい状況じゃないってうまく乗り越えられるための経験だという意味かな。

 

なんでもかんでも意味がある、意味づけをするといい、

というわけではありません。

でも、なんかもやもやするなあ、

いらいらするなあ、

なんでこうなったのかな~

と思うことがあったら、

その出来事に自分がいいように「意味づけ」してみるとまた違う気持ちになれるかもしれません。

不妊の気持ち

ヤマアラシのジレンマ

こんにちは、心理士の小倉です

さて、今回は3年前ですが、その際の日本生殖心理学会の講演について。

この学会は生殖心理、

つまり不妊の心理について一番多くを学べる学会ですが、

毎回著名な方の講義も多く、本当に勉強になります。

今回紹介するのはその中のお一人、

この方~

ご存じです?

精神科医の香山リカ先生です。

いろいろ本当に深い話をしてくださいましたが、その中でも

ヤマアラシのジレンマ

の話はそうそうそう~!!!!とうなずきっぱなしでした。

どういう話かというと

ヤマアラシ、という動物をご存知ですか?

↑こんな感じですが、

おしりのほうにある白いつんつんが

威嚇などするときは全部針山のようになる動物です。

このヤマアラシが寒いので他のヤマアラシとくっついてあたたまろうとするのですが、

くっつきすぎるとお互いの針が刺さって傷つけあう、というお話で、

人間もお互いの距離感を感じ取り、その針の長さが調節できるといいね、

という意味もあるのですが、

学会では不妊の当事者同士、というのは最初はお互い不妊だから、

ということで仲間意識を持つのですが、

だんだんお互いのことがわかるとその違いも見えてきて、ひとくくりに「不妊の人」と

一緒にされることに抵抗があるようだ、というお話をされました。

せっかくお互いあたたまろうとしたけど、結果的に傷つけあう、

ということがどうもあるらしい、というお話。

そうなんですよね。

不妊の話をこれまでの友人には話せない。やっと話せる不妊友達、を見つけたけど、

私は子宮筋腫、友達は男性不妊、私は自分が原因だから罪悪感を感じる、

でも友人は夫を責めるにも責められない気持ち、

でも私にしてみれば、

精子さえなんとかなれば妊娠できる友人がうらやましい・・・

友人なのに、なんか、重たい関係。

同じ不妊だけど同じじゃない・・・などよく聞く話ですよね。

不妊で悩んでいる人に、だったら自分の針の長さを調節したら?

と言うのは簡単ですが、酷すぎます。

私が思ったのは、

つまりヤマアラシは寒いから寄り添いたいんだよね?

だったらそんなにお互いが近寄らなくてもそこそこスペースがある

暖かい場所=支援・サポートを提供すれば、

あるいは作っていけばいいのかな、と。

これは不妊で悩まれている方たちだけのことではないと思いますが、

そこそこ元気な人は自分の針の長さ調節はできますが、不妊やその他、

人生で大きな出来事がおこってこれまでの対処方法ではどうにもならない方たちには、

もう針の長さ調節をする元気もありません。

だからお互い寄り添おうとすると傷つくこともあります。

だけど、適度に寄り添える場所を社会全体で作れるようにできれば、と思う今日この頃です。