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強迫性障害をお持ちで不妊治療されている方

生殖心理カウンセラーの小倉です。

不妊治療をされている方で、強迫性障害をお持ちの方のカウンセリングを行うことがよくあります。強迫性障害以外には鬱病、パニック障害、統合失調症、発達障害など診断されている方もいらっしゃいますし、診断はされてないけど、私の判断でその傾向があるなあ、という方も少なくないです。

服薬をしている方(でも不妊治療に差しさわりのない程度の服薬)、以前そうだったけど今はコントロールできています、という方もいます。このような方々も医師の判断によりますが、不妊治療はできます。子供が欲しいという気持ちは皆と同じです。「心の病気」をお持ちだとしても、不妊治療はできますし、お子さんも授かりますし、幸せな家庭を築いている方も多いです。

今回は強迫性障害をお持ちの方、もしくはその傾向にある方特有の心理とその対処法を簡単にお伝えしますね。

強迫性障害がある場合、不妊治療の流れはとても気になることが多いです。薬の量とか内容とか、どういう治療をするのかしないのか、とても細かくこだわる傾向があるので、本人がとても疲れてしまうのです。

たとえば、通院の日は必ず決まった電車の車両に乗らないと不安になってしまうので、運休とか遅延とかあると何もかもがうまくいかないのではないかと思って通院をやめてしまう(その結果診察の予約を取り直すことになります)。

病院に着いたら必ず決まった洗面台で手を10秒洗わないと不安になるので、その洗面台が空いてないとあくまで待って、でも自分の診察で名前を呼ばれているのに行けなくて、結果、順番が後になってしまう。

強迫性障害ではない方には全く理解できない行動かもしれませんが、普通でも縁起担ぎでかつ丼を食べたり、縁起のいい数字を選んだりしますよね。そういうのが極端になってしまっただけで、強迫性障害は誰でもなりうる状態なのです。

ただ、こんなに強いこだわりがあると、不妊治療中は本当に疲れ切ってしまって、体調を崩すことも多いので、それでは妊活に差しさわりがあります。

だから、自分に強迫観念があるかも、とか、自分は強迫性障害と診断されている場合は、まずは自分は強迫的に行動したり考えてしまうことを受け止め(それはそれでよい、ととらえて)でも、妊活のために優先しないといけないことを、少しずつ増やしていければ良いだろうと思います。

手を洗いたいけど、診察の順番がきて呼ばれたらそれを優先する、そうしないとまた順番が遅くなって待ち時間が長くなって、帰宅が遅くなって体が疲れて、それでは妊娠しにくくなるよなあ、と。

また、強迫行動を我慢することで、だんだん強迫行動も和らぐのです。強迫行動が減ると本当に楽になります。

参考にしてみてくださいね。

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