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実際のカウンセリング紹介:事例②不妊治療中の迷い「もうやめたほうがいい?でもまだ続けたい」

こんにちは。生殖心理カウンセラーの小倉です。

今回はカウンセリング中で多いテーマ、不妊治療中の続けるかやめるかの迷いの事例を紹介します。

41歳のB子さんは結婚歴10年、治療歴5年。結婚当初は子供が欲しいと思ってなかったし、今も子供好きではないけど、自分の子供は欲しいと思っている。結婚して5年頃、夫からそろそろ子どもを考えてみない?と言われ、気楽な気持ちで検査をしたが夫婦ともに明確な原因はなかったが、早く欲しいなら治療したほうがいいと言われ、タイミング法から始めた。治療すればすぐにでもできると思ったが、なかなかできず。タイミング法、人工授精を経て、体外受精の1回目の移植で妊娠したものの、心拍確認後流産。その時から、急に子供が欲しいという気持ちが強くなり、治療を続けているが、その時以来、妊娠することはあっても継続できていない。

B子さん:そろそろ治療は終わりかなと思ったり、まだいけると思ったり日によって気持ちや考えが変わってもうわからなくなったので相談に来ました。

カウンセラー(つまり、私です):治療を終えようと思ったり続けようと思ったり、気持ちが変化してしまってどうしたらいいか迷われているのですね?

B子さん:そうですね、迷うというか、たぶん頭ではもう無理だからやめたほうがいいとわかってるけど、気持ちでまだ諦めたくない、続けたいと思ってる感じかな。

私:あ~、頭では治療を終えたほうがいいと判断してるけど、心では子供が欲しいから治療を終えたくない、続けて頑張りたいと思ってるということですね?

B子さん:そうそう、治療の経緯をみると、だんだん採卵数も減ってるし、胚盤胞まで育つ卵が最近は1個程度。そろそろ厳しいのかも、ってわかってるんですけど・・・先生はいろいろ試してくださって次も頑張りましょう、って言ってくださると勇気がでて、次こそは!って思うんですけど、さすがにこう結果がでないと、もう無理なのかなって思ったり。でも、治療で授からないのに自然に授かることはないから、治療を終えると子供のいない人生になるって考えると怖くてやめられなくて・・・

私:B子さんにとって、子供のいない人生は怖い?

B子さん:う~ん、子供が欲しくて結婚したわけじゃないけど、一度妊娠して心拍を確認したときのころをすごく覚えていて、あの感動というか、子供がいるってすごいことなんだな、欲しいなって言う気持ちが高まっちゃって・・・夫もいい人だし、仕事もしてるし、十分幸せなんだけど、あとは子供さえいればって気持ちですかねえ・・・

私:B子さんにとって、今とても満たされているけど、パズルのピースのようにあと子供がいればぴったりはまるって感じですか?

B子さん:そうそうそう!そういう感じなんです!だから、どうしても子供が欲しくて。でも治療ではもう難しそうだし、早めに子供のいない人生とか、もしかすると養子縁組とか考えないといけないのかもだけど、それも怖くて・・・

という展開です。

このあとの話としては、よくブログでも書かせていただいている「生殖物語」不妊が辛いのはなぜ?心理学的な理由があります | ガーベラ不妊相談室 (cr-gerbera.com)について話します。B子さんにとって子供は「ただの」パズルのピースなのか、あるいはもっと何か意味があることなのか。そういう話をするなかで、B子さんがお子さんの存在を再確認し、治療を続けるのか、どのくらい続けるのか、治療を終えるとして他にどんな選択肢を選ぶのかのベースになります。

一方で、流産の経験もされているのでその心のケアもします。流産の経験は受け入れられているのか、その後の繰り返される喪失感(生理がくることも悲しみなのです)についても話すこともあります。

1回のカウンセリングは45分(初回は90分)なので、すぐに悩みや迷いが解消した!ということにはなりませんが、何かのヒントやきっかけ、あるいは必要に応じで心のメンテナンス、リセットのように利用していただければと思います。

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