ブログ

Blog

不妊だから考える子供が欲しい理由

不妊さえ経験しなければ、子供が欲しい理由なんて考える必要ないのに、それを考えないと不妊治療は続けられない。それすら心の負担になるのですが、考え続けることが不妊とうまく付き合う重要なポイントです。

目次

不妊でなければ子供が欲しい理由は考えない

結婚したら子供を産んで、育てながら働いて、老後は趣味を楽しみながら生きていけたらいいな、と思う人は多いでしょう。
その時、結婚したい理由は比較的、多くの人が考えることがあるようです。
好きな人とずっと一緒にいたいから。
一緒に家族を作りたいから。
一人では寂しいから。
などなど、結婚したい理由は、皆さん、結構考えています。

でも、子供が欲しい理由は?となると、私の印象ですと、あまり多くの人がすらすらと答えることはありません。
結婚したから、とか
子供がいたほうがにぎやかだから、とか
老後頼れるから、など
子供が欲しい理由は何?と聞かれない限り、自分で理由を考える機会は少ないように思います。

それはなぜでしょう?

結婚は、それなりに各個人が頑張らないと結婚に至らないのですが(「婚活」ですね)
子供は結婚したら「普通に」「自然に」、つまり努力しなくてもできるものと
思っている人が多いからです。
実際努力不要で子供が授かる人の方が多いのです。

ただ、最近になって「妊活」ということばあるように
それなりに努力が必要なんだ、という認識はありつつも、
やはり努力不要で子供が授かる現状があるので、
婚活のように結婚したい理由が明確な人は多くないのです。

それが不妊となると、
初めてなぜ子供が欲しいのか、を考える機会になります。
なんでそんなこと考えないといけないの?
欲しいものは欲しい、
という方も多いです。
それでもいいのです、が、それだけでは不妊という現実を受け入れるのは難しいのです。
それだけ、不妊は当事者にとってそれまで経験してきた中で
対処不能になってしまうほどの大きな出来事なのです。

子供欲しい理由は時間がたったり
環境が変わると変化します。
その都度、その都度、検討することも現実の受け入れをスムーズに促します。

不妊治療を始めるための理由

子供を望んでもなかなか子供が授からないと、不妊かもしれない、ということで病院に行きます。
不妊治療が必要です、と言われて、
治療を開始するにあたって、
改めてなぜお金や時間をかけて子供を授かろうとするかを考えますよね?
結婚したのは子供を産み育てて家族を作りたいから、
子供を産むことで自分も成長できるから、
親に孫の顔を見せたいから、
など、
少しずつ、自分の中にあった子供の欲しい理由が明確になります。

そして、この時点では多くの人は
その理由が近いうちに実現できると思っています。
ですから、理由を考えることはそれほど負担ではない段階です。
むしろ、改めて子供の欲しい理由を考える機会があって
その後の育児や人生において活かされるよいタイミングともいえます。

不妊治療を続けるための理由

不妊治療を開始した直後は、1年以内には子供が授かるかな、と思っていたのに、
なかなか授からず、
思っていた以上に体や時間や経済や心に負担があることを実感します。
さらに、周囲は「皆」自然妊娠して、出産して、2人目や3人目を育てていて・・・
ニュースではやたらと有名人の妊娠出産がとりあげられ、
挙句の果てには動物園の妊娠出産報告まで。

うんざりするのは当然な日々の中で、
どうして私は、僕は子供が欲しいのかを考えなければいけないのだけど、
考えたくもないくらいに、疲れ切っているのがこの時期です。

そういう時は考えなくてもよいと思います。
ただ、ただ、不妊治療のスケジュールに合わせて淡々と治療をすることも
必要な時期もあります。

それでも、どこかで子供の欲しい理由、
こんなに負担を感じてまで欲しい理由、
縁があって一緒にいたい人と結婚したのにぎくしゃくする毎日を送ってまで欲しい理由を、
考える必要があります。

考えることが、不妊治療の取り組み方を負担の少ない方法に変えるきっかけになったり、
たとえば実子以外の子供を育てる機会を検討したり、
人間関係でうまくいっていないことがうまくいくヒントになったりするのです。

家族が欲しいという理由以外に何を考えればいいの?
そう思われた場合は、あなたの生殖物語を思い起こしてみてくださいね。
生殖物語についてはこちらを参照してください👇

不妊治療を終えるための理由

不妊治療を終えることを考える必要があるときは、
子供の欲しい理由をもう一度明確にすると良いでしょう。

私が望んだのは、僕が望んだのは
「普通」の家族、
女性として生まれたから妊娠、出産したい、
親になることで一人前になること、
自分も自分の親のように子供と楽しい時間をすごしたい、
などなど。

そういう沢山の理由を、一つ一つ、かなわないこととして
悲しむことが大切なのです。
人生において努力しても手に入らないものがあって、
それは「子供」だけではなく、
上記したような「子供が欲しい理由」も
手に入らないことを認識することが
不妊治療を「上手に」終えるポイントになるのです。

そういう手に入らないものが明確になったとき、
もしかすると不妊治療を終える理由になるのかもしれません。

子供がいなくても子供が欲しい理由

子供を望んで、子供のいない人生を選択したあとも、やはり子供が欲しい理由を
節目節目で考えることは大事です。

時間とともにその理由は変わるかもしれないし、変わらないかもしれないし。
なぜ、もう子供のいない人生をすでに歩んでいるのに、
子供が欲しい理由、欲しかった理由を考える必要があるのか?
それは、子供を望んだけれど、授からなかった悲しみを癒すためです。
何度も何度も自分の中で、
あるいはカップルの間で、こういう理由で子供が欲しかったんだよね、とか
あの時はあんなふうに思ってたけど、今になるとこういう理由で子供が欲しいと思ってたように思う、とか。

繰り返し、努力しても手に入らなかった望んでいたものを思い返すことで、
欲しかったけど、さずかっていない今の人生もそれほど悪くないかも、
と思えるようになれば、
悲しみが少しずつ癒されていることになるでしょう。

あなたの居場所が見つかりますように

不妊を経験すると、
想像以上の辛い思い、苦しい感情、自己肯定感の低下を多くの人が
味わうことになります。

それは本当に、本当に、孤独で不安でいっぱいです。
真っ暗なトンネルの中で方向を見失います。

でも、わずかながらも光はあるはずです。
なんとか、その小さな光を見つけて、自分の居場所にたどり着いてもらえればと願っています。

ガーベラ不妊相談室では現在二つのグループ募集中です。

12月5日  オリーブの木(子供のいない方のためのサークル)

12月17日  不妊治療保険適用のセミナー

またNPO法人Fineではトパーズ、マナティ・クラブのグループがあります。

12月17日 マナティ・クラブ(不妊を経て育児をされている方)

12月19日 トパーズ(一人目不妊の方)

あなたの居場所が見つかりますように。

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ