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妊活の夫婦の温度差

こんにちは。西船橋にあるガーベラ不妊相談室、不妊ピア・カウンセラーの岡田です。
写真は夏越の祓の茅の輪くぐりです。
一年を半分にした6月の晦日(みそか)旧暦6月30日に執り行われていた神事で、 心身の穢れ(けがれ)や、災厄の原因となる罪や過ちを祓い清める儀式です。
元々神社が好きだったのですが、妊活中は神頼みに拍車が掛かり、色んな神社に行っていました。
大きな杜のある神社が好きで、境内でのんびりすることが気分転換にもなりました。
梅雨空は気分が晴れないこともありますが、ちょっと雨が上がった杜はマイナスイオンに
溢れています。神社でなくても、自然に触れるのは気分転換になるかもしれません。

さて。
妊活中は、夫婦間の温度差や考え方の違いに悩まれる方も多くいらっしゃいます。
妊活は女性、男性どちらか1人でできることではありませんので、パートナーとの協力が
必要になりますが、男性と女性で「でできること」や「やらなければいけないこと」
が違ったり、
治療が長くなってくると疲弊の度合いや、当初の考えとは違ってくることもあります。

目次

妊活スタート時の気持ちのすり合わせ

通院する前に「そろそろ子どもを」とご夫婦で話されたとき、
まずは「自然に任せて」「タイミングで」となるでしょう。
願えばほんの2,3ヶ月で授かるだろうと思いますし、その時に不妊を想定することはあまりないかもしれません。
ですから、ここでお互いの気持ちを具体的に知っておくという作業にならないことも
あるかと思うのですが、
敢えてここでご夫婦の考えをすり合わせておくと、
その後がスムーズだったのではないか、と私は振り返って思いました。
難しいんですけれどね。

どうして子どもが欲しいのか

度々出てくる「生殖物語」にもなりますが、
子どもが欲しい理由を結婚前や新婚時に深く掘り下げることは
ほとんどないと思いますし、不妊を経験せず子どもを授かった方は
「生殖物語」という言葉に触れることもなく過ごすこともあるかもしれません。
「結婚して2.3年経ったし」「前から子どもが欲しかったから」
「周囲も妊娠、出産が増えてきたから」そんな風に思う方も多いかもしれません。
この時点で「もし子供を授からなかったら」という話をすることはあまりないかもしれませんが、パートナーと話さなくても頭の片隅にその未来もあるかもしれないということを入れておくことも大切なのかもしれません。

妊活はどこまで取り組むのか

子どもが欲しい、けれど
通院するのか、高度治療までするのか、考え方や価値観はそれぞれです。
「こうするべき」ということはありません。お2人で考えて決めたことが正解でベストです。そのためにも早い段階でお互いの気持ちを話しておくことが大切です。
私は体外受精に取り組むまで、見通しを立てず先生に提示された目の前の方法にただ取り組むだけでした。タイミングは何回、人工授精は何回、きちんと決めておけばもう少し妊活期間を有効に使えたのではないか、と今も少し後悔をしています。
妊活が長くなってくると時に冷静に判断できないことがあります。直面していない問題を具体的に話すことは難しいことがあると思いますし、
直ぐに実行に移せないこともあるかもしれませんが
自分はどこまで子どもを望んでいるのかな、
上手くいかなかった時自分の未来はどうしたいのかな、
そんなことをぼんやりでも考えておいてもいいでしょう。

おおまかな区切りを決めておく

私が妊活に取り組んだのはトータルで6年です。
もう1回採卵したら、もう1回移植したら、あの検査をしたらそう思うと諦めることが出来ずズルズルと続けてしまった感があります。
区切りを決めるというのは「そこで止める」ではありません。
ここまできたら一度立ち止まって話し合ってみる、ということです。
年齢、経済的負担、、仕事との両立、様々な観点からいくつかの区切りを決めて一度立ち止まって考えることは、気持ちの切り替えにもいいと思います。

治療に対する温度差

お互いの負担を想像してみてください
例えばよく、タイミング法に取り組む時の温度差として男性が「やれと言われてやれるものではない」というお気持ちを聴きます。そうですね、女性の都合や期待に合わせて取り組むことにストレスやプレッシャーを感じるかもしれませんね。
逆に女性の検査を想像してみてください。
診察の度に両足を開いたまま膣内に器具を入れられる、時にそれは男性医師です。男性の皆さん、毎月何回も女医さんを前に足を開いて診察を受ける機会はないのではないでしょうか。

女性の負担

妊活、妊娠、出産において多くの負担は女性が担います。
タイミング法でこのくらいが排卵かなと基礎体温などを毎日のように確認するのは女性です。通院してのタイミング療法で「このくらいの時にタイミングを取るといいですよ」と言われるのも女性です。「タイミング取ったら、来院してください」そう言われて上手く性交渉に至らなかった時、私はみじめでした。そして、タイミングを取れても医師に性交渉の報告をするのは恥ずかしいような思いもありました。
人工授精では「排卵までもう少しかな、明日も来れるかな?」と言われて通院が連日になることもあります。「ちょっと、薬出しておこうか、注射しておこうか」と言われて服薬や注射をするのも情勢です。
体外受精、顕微授精、よりよく着床するための検査をするもの、麻酔、服薬、注射も女性です。仕事をしていたら、これを仕事の調整をしながら行います。

男性の負担

一方で男性も辛いようです。私の夫は比較的協力的でしたが、精子検査の度にナーバスになっていましたし、検査結果で一喜一憂していました。
あ、でもそれがストレスだと言って、タバコも止めきれませんでしたし、お酒も飲んでました。女性としてはキーっとなりました。
「この日と言われてできるものじゃない」「出せと言われて出せるものじゃない」
確かに男性にもデリケートな部分もあります。
「家では無理」「綺麗なメンズルームがいい」そんな人もいるかもしれません。男性不妊の場合には自分に原因があっても通院の負担が女性にあることで悩む方もいらっしゃいますし、治療の心身の負担も大きくなります。

お互いをねぎらう

男性にできること女性にできることは違います。
通院をすれば女性の心身の負担は大きくなります。
でも、その全てを男性に分かって欲しいと思っても難しいのだと思います。
男性にも、女性に言われた日付に性交渉を持つことや、この日に採精しろといわれるプレッシャーがあり、気持ちではどうにもならないこともあるようです。
それを女性が男性に「子ども欲しいんだよね?そう話したよね?」と言ってしまうのは、
女性が男性に「何で言われた日に性交渉してるのに妊娠できないわけ?」と言われるようなことなのかもしれません。
お互いがお互いの負担を想像して、労えるといいですよね。
最近は、治療や生理周期をご夫婦で共有できるアプリなどもあるようですから
上手く活用して情報を共有しておくことも、気持ちのすり合わせには有効かも
しれません。

男性と女性の違いを知っておく

そもそも女性と男性は考え方が違います。そのことを知っておくことはとても大切です。

共感してほしい女性

女性は、とりとめのない気持ちや愚痴を話したり「そうだよね、わかるよ」と共感してもらうことで安心する傾向にあると言われています。男性からすると、何の進展も収穫もないではないかと思うことでも女性はスッキリすることもあります。
男性はまずは女性の話を聞いてみてください。時にとりとめもなくエンドレスになることもあるかもしれませんが、ただ「うんうん、頑張ったね」「辛かったね」「明日外食しようか」そんなことでも救われたりするものです。

解決しようとする男性

女性に比して、男性は「問題があるなら解決しよう」「あなたはどうしたいの?そのためにするべきことは何だと思う?」と、困難に対して解決しようとする傾向にあるといいます。
妊活において正解や解決がないことが難しいところです。でも、女性も男性がどうにか苦しいことを脱してほしいと思って考えていることは想像してみてください。「ありがとう、解決しようとしてくれているんだね」「すっきりできる方法みつかるといいよね」
男性が自分の苦しさや辛さを解決しようとしてくれている気持ちに
気付けるといいのかな、と思います。

大切なのは

例えば背中がかゆい時、「ちょっとかいて」と言ってもジャストそこ!
というところにいくことはないかもしれません。
でも「ここ?」「ううん、もうちょっと右」
「ここ?」「ううん、もうちょっと下」
「ここ?」「そこかな」
行きつくまでには手間もあるかもしれませんし、「そこ!」とぴったりしないこともあるかもしれません。
でも、お互いが何を必要としているか
すり合わせる努力をすることが大切なのだと思います。

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