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カウンセリングで得られるもの

こんにちは。心理士の小倉です。

生殖心理専門のカウンセリングを始めて17年目になりますが、この5年でカウンセリングの利用がとても増えたように思います。

以前は不妊治療中で本当にしんどくてもうどうしようもない、でも精神科に行くほどではない、という時によくわからないけどカウンセリングに申し込んだ、あるいは医師に言われて(しぶしぶ)来た、もしくはすでに精神科に通院したことがあり、カウンセリングを受けることはさほど抵抗がない、などの理由が多かったです。

今ですと、不妊治療を始めようかどうか、ステップアップ、転院、治療終結、養子縁組、非配偶者間生殖医療、カップル二人の生活、治療後の子育てなど幅広い理由でカウンセリングの利用が増えましたし、カップルでの利用が多いのが、大きいですね。

不妊は、個人の問題と同じくらいカップルの問題でもあります。「夫婦」と最近言わなくなったのは、必ずしも法的に夫婦である必要がなかったり、同姓の方がカップルとなり子供を育てたいという思いがあるからです。17年前には日本ではほぼ表にでてこなかった多様性が、今はあります。

ではカウンセリングをして何を皆得ているのか?具体例をだしますと

〇なかなか授からなくて近くの婦人科で診てもらっているがこのままで大丈夫か?

→自分にとって早く子供が欲しい気持ちが強いので不妊専門の病院の説明会にまず行ってみる気持ちになった

〇コロナ禍となり、自分の人生について考える時間が増え、本当に子供が欲しいのかわからなくなった

→子供が欲しいのは「皆」子育てしているからで自分はそれほど子育て、子供のいる家庭を望んでいないかも、でも、女性として生まれたので出産してみたい気持ちはあるので、年内までは治療を続けて、それで授からなかったら子供のいない人生を歩みたい

〇不妊治療に対する温度差が激しく、離婚を検討している

→離婚は簡単だが、今できることをまだやっていないかも。もともと好きで一緒になったし、不妊の話以外は楽しくできている。子供を授かることが結婚の意味だったが、もしかすると養子縁組などを検討してもいいかも

などなど。

カウンセリングで得られるものは、決断のヒント、気づき、思い出す機会、自分ではおもいつくことがない選択肢に加えて、生殖心理専門のカウンセリングなので、不妊治療の基本的な知識、不妊にともなう特有の心理、治療に備えるための心理教育などがあります。

こういうブログを読むだけでも、何かしらのヒントになれば何よりですし、それを願ってブログを書いています。でも、もしもっと自分の状況にあった個別の対応が必要かも、と思うのであれば、カウンセリングの利用もご検討くださいね。

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