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適応障害とは

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コロナ禍の今、適応障害をおこしやすいです

先日のカウンセリングで、適応障害について話す機会がありました。
今またコロナ感染の拡大を受け、不安な日々が始まりそうですが、このように今年に入ってずっと「いつも通り」ではない毎日をおくると、人は適応しようにも、適応することに疲れる可能性があります。

不妊治療をされている方たちにとっても政策がこれまでになく
不妊に関心を寄せていることも(結果はまだ見えそうもありませんが)
心落ち着かないですよね。

そういうことも含めての適応障害、簡単に紹介します

適応障害の定義

適応障害とは、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」(ICD-10:世界保健機構の診断ガイドライン)と定義されています。

ストレスとは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」です。ストレスの原因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々です。

つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます。

また、「発症は通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて1カ月以内であり、ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはない」(ICD-10の診断ガイドライン)とされています。ただしストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過します。

適応障害の症状

適応障害には、
①抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などの情緒面の症状
②置かれている状況で、何かを計画したり続けることができないと感じる
③行きすぎた飲酒や暴食、無断欠席、無謀な運転やけんかなどの攻撃的な行動がみられることもある
④不安が強く緊張が高まると、体の症状として動悸、汗をかいたり、めまいなどの症状がみられることもある

うつ病との違い
適応障害ではストレス因から離れると症状が改善することが多くみられます。たとえば仕事上の問題がストレス因となっている場合、勤務する日は憂うつで不安も強く、緊張して手が震えたり、めまいがしたり、汗をかいたりするかもしれませんが、休みの日には憂うつ気分も少し楽になったり、趣味を楽しむことができる場合もあります。

しかし、うつ病は環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分は続き、何も楽しめなくなります。これが適応障害とうつ病の違いです。持続的な憂うつ気分、興味・関心の喪失や食欲が低下したり、不眠などが2週間以上続く場合は、うつ病と診断される可能性が高いでしょう。

適応障害の治療

①ストレス因の除去
ストレス因の除去とは、環境調整することです。たとえば暴力をふるう恋人から離れるために、ほかの人に助けを求めるなどがこれにあたるでしょう。ストレス因が取り除ける、あるいは回避できるものであればいいのですが、家族のように動かせないもの、離れるのが難しいものもあります。こうなるとストレス因の除去だけではうまくいきませんので、次のステップも必要となります。

②本人の適応力を高める
ストレス因に対して本人はどのように受け止めているかを考えていくと、その人の受け止め方にパターンがあることが多くみられます。このパターンに対してアプローチしていくのが認知行動療法と呼ばれるカウンセリング方法です。また現在抱えている問題と症状自体に焦点を当てて協同的に解決方法を見出していく問題解決療法もあります。この認知行動療法も問題解決療法も、治療者と治療を受ける人が協同して行っていくものですが、基本的には治療を受ける人自身が主体的に取り組むことが大切です。

③情緒面や行動面への介入
情緒面や行動面での症状に対しては、薬物療法という方法もあります。
不安や不眠などに対してはベンゾジアゼピン系の薬、うつ状態に対して抗うつ薬を使うこともあります。ただし適応障害の薬物療法は「症状に対して薬を使う」という対症療法になります。根本的な治療ではありません。つまり適応障害の治療は薬物療法だけではうまくいかないことが多いため、環境調整やカウンセリングが重要になっています。


以上は厚生労働省のHPから引用しています。リンクも参考にしてくださいね👇

もし適応障害かな、と思ったら

ストレスが重なって、日常生活がおくれなくなる、という時に、鬱病かな?と思う方も多いと思いますが、もし不妊治療を始めて1か月以内の症状であって、治療のない日は気持ちが楽になっている、というのであれば、適応障害、の可能性は高いかとおもいます。

とはいえ、皆が皆、適応障害とは思いませんし、皆様自分なりに努力や試行錯誤で治療をしながらの生活をされていると思います。ただ、それでも、なんかおかしいな、と思うことがあれば、参考にしていただければと思う症状の紹介ですし、適応障害の治療についてもカウンセリングが有効とあります。とくに認知行動療法は私が基本としておこなっている方法なので、何かありましたらいつでもお問い合わせください。

何より、今年に関してはコロナという世界中のストレス出現により、適応障害をおこしやすい状況と認識しています。自分はそこまでではない、と思っていても、何かあったときに問い合わせることができる相談先を知っておくとよいかと思います。

今や、備えあっても憂いあり、ですが・・・
後悔先に立たず、は不変かなあ、と思ったり

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